セントル ザ・ベーカリー(銀座一丁目)

首都高西銀座JCT付近でいつも行列ができているお店「セントル ザ・ベーカリー」。


そもそも私には「その日焼かれたパンはその日中に食べる」という自分だけの勝手な

ポリシーがあるために、食パンを買うことがほぼありません。

食パンの場合、1斤とか2斤とか買わないといけなくて、その日中に中々食べきれないので。


こちらのセントル ザ・ベーカリーさんは、VIRONを経営する西川社長の新店舗。

(VIRONの記事はこちら

VIRONがレトロドールという銘柄小麦粉のバゲットが有名なのに対し、こちらは食パン専門店。

もちろん気になります。

しかしながら、2013年にオープンでいまだに行列が途絶えません。

その存在感はひしひしと感じつつ、「食パンかー。それなら他のパン屋さん優先で、

空いた頃にいこうかなー」と先延ばし。一向に行列がなくなる気配がなく今に至る。


今回、この食パンを食べられたのは、何とも幸運なことに、ダンナの会社の方にいただいたから!

30分並んだとのことです(平日だったから30分で済んだのかと思います)。

神かと思いました。この場をお借りしてほんとにありがとうございます。

我が家に突如として舞い降りたセントル ザ・ベーカリーの紙袋。

ダンナの帰りと共に完全なサプライズ登場だったのでテンションが上がって小踊りしました。

こんな感じで白い紙袋に包まれております。2斤分で864円(税込み)です。

あまりの嬉しさに写真を撮る前に切ってしまいました。

右側すでにカットされています。カット前の写真を載せたかったので、

いかにもカット前風に写るようアングル等工夫するも、やはりだめでした。

夜遅くだったのですが、がまんしきれず早速少しだけいただいてみます。

我ながら包丁さばきが下手すぎる。断面がギザギザに…。

でも分厚くカットしていただいてみました。

少しだけと言いつつ欲望に負けそこそこの分厚さに…。

おいしそうな断面を見ていただきたく、upしたもの。

しかしながら何度見ても切り方が下手すぎる。

切り口のギザギザが明るみに出ただけで、生地の詰まった感じとかをうまくお伝えできない…。

写真では伝わりにくいかもですが、ほんとに生地がもっちりしっとりしているんです。


さて、食べようとなったところで、今回は急にいただいたので、何の下調べもしていない。

どうすればいいかまず迷う。

そんなこともお見通しなのか、食べ方説明書が入っています。

私がいただいたのは角食パン。北海道産小麦「ゆめちらか」を使用したものらしい。

食べ方は、焼かずにそのままたべるのがおすすめとのこと。

食感はしっとり・もっちり…まさにどストライク。


ゆめちからって、数年前に登場した超強力粉と銘打たれた粉なのです。

昔は、「グルテンの少ない国産小麦でパンなんか作れない」と言われていました。

食パンのように型に入れて上に膨らませたいパンは、たんぱく量の多い北米産が向いています。

(タンパク質はグルテンの元です)

一方、日本の小麦はアミロペクチンというデンプンによってねばっこく、

もちっとした食感のパンになる性質があります。

このようなもちっと系小麦は機械では扱いにくいため、大手では使われないのです。

例えばシニフィアンシニフィエのチャバタで使用されている、

「キタノカオリ」はアミロペクチンが特に多く、ねばるため大手では使われません。

国産小麦の消費量が落ちていく中、危機感を持った農業試験場はパンに向く品種の育種を始め、

1980年代後半に登場したのがグルテンが強いハルユタカ。

このころから農家もパン用小麦を意識し始めます。

その後も様々な品種改良が行われた結果、ゆめちからの登場したのです。

タンパク量が14%を超えるときもあるほどの小麦です。

ゆめちからの登場により、敷島製パンのような大手パンメーカーも国産小麦で

パンを作り出すようになったということなのです。


話はそれましたが、そんなゆめちからの食パン、焼かずにそのままいただいちゃいます。


まずはにおいをかいでみると、優しい甘い香り…癒されます。

クラスト(外側の皮)はひきが強め。ぐいんと噛みちぎります。

口の中でももぐもぐもぐもぐ…。弾力があるのでずっと食べていられます。

クラム(中身)はふわっともにっとしています。


噛みしめるほどにもっちり優しい食感で、

食パンてこんなに優しい気持ちになるんだー!と夜中に幸せ気分に浸りました。


この食パンいただいて、今まで食パンは中身が好きだったのですが、

もちっと歯ごたえのある外側の皮派に宗旨替えすることにしました。

(軽く聞こえますがほんとに外側がおいしかったのです)

噛み切るのに時間がかかる分、中身より食べていて楽しい。

もちろん中身も柔らかくて、これはこれで楽しい食感なのですが。


日ごろ食べない食パンを、しかもセントル ザ・ベーカリーというレア食パンをいただき、

しかも外側の皮のおいしさを知るという、私としては革命的な1日でした。


ごちそうさまでした。

パンときどきワイン

おいしいパンとワインについてつぶやき。 日本だけではなく、世界のいろんな国を旅して見つけたい。

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