語学留学(NY:コロンビア大学)

語学留学を検討されている方のために、コロンビア大学のALP(American Language Program)での経験について書いておきたいと思います。


コースについて

私はALPのいくつかあるコースの中の「Intensive Program」の夏コースを取りました。秋、春、夏と年3回開催されているようです。夏コースの中にもA、B、Cと分かれています。ちなみに私はAタームだけ取ったのですが、A+B+C、A+B、B+Cといった取り方も可能。各タームが4週間で、A+B+C全て取れば4週間×3タームで最大12週間です。ちなみにBCタームの代わりに「Advanced Academic Preparation(AAP)」という夏コースだけにあるライティングに注力したコースを取ることも可能なようです。私はAタームが終わったら旅を続けるので、BCもAAPも取りませんが、BCを取る予定だった人がAAPに変更することも可能なようでした。


クラスについて

事前にウェブ上でリーディング&リスニングのテストを受けて、8つのクラスにレベル分けされます。人数については、事情通なALP生徒の一人から聞いただけなので、正確な数字ではないのですが、私が取った2017年の夏コースAタームは全体で65人、1クラスは10人未満となるように構成されているようです。同じタームを取っている全ての人と知り合うわけではないので全体像は分からないのですが、最高レベルであるレベル8の人を私は見たことはありません。そしてレベル1の人も見たことはないです。なのでどこかのレベルが2クラスとか複数あるのかもですがそれも定かではありません。なんやかんや曖昧ですみません。あくまでイメージをお伝えしようかというものなのでご容赦ください。

ちなみに私はレベル6のクラスになりました。クラスメートは私を含めて10人(基本10人未満で構成される、という事情通生徒の情報から察するに私のクラスは多めなのだと思います)。クラスメイトのうち7人はコロンビア大学でのALP履修後、アメリカの大学(コロンビア大学であったり他の大学であったり)の学部、マスター、PhD、何らかのコースを取ることを目指している人たちでした。アメリカでの進学組以外の人は私を含め3人いて、1人はネパールの女の子でカーストなど自国の抱える問題や若者の支援に取り組む基金で仕事をしている。ネパールでは大学(ロースクールかも…)で法律の勉強をしていて夏休み期間にALPに来ているとのこと。もう1人は上海の女の子で少し前まで投資関係の会社に勤務していたらしい。彼女は仕事でも英語を使っていたのか、ALPに来ずとも普通に話せていた感がある。旅行好きなこともあり話が合い、一番仲良くしてもらった。

年齢については学生もいれば社会人もいて幅広い。出身について言えばサウジアラビア3人、中国2人、韓国1人、ネパール1人、日本3人という構成。これまた事情通の生徒の情報によると、中国人が過半となるケースが多いらしく、私のいたクラスのような構成は珍しいようです。


授業について

リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングどれも幅広くやるけれど、私のクラスでは英語を母国語とする学校への進学を目指す人が多いためか、ライティングにやや重点が置かれていたような気がします(AAPだとさらに明確にライティング重視になるのでしょう)。毎週エッセイの課題が出ていたので、全部で4つのエッセイを書きました。このコースではエッセイの内容の深さより、文法とエッセイの基本的な構成、つまりIntroduction&Thesis、Body、Conclusionの流れに忠実に沿うことを重点的に学びました。文法ミスなく、型通りに文章を展開できているかを基準に採点されていたと思われます。たとえ斬新で、かつてないようなアイデアを書いたとしても、エッセイとしての構成が破綻してしまったものは、稚拙で読みにくい文章と見なされてしまうようです。まずは型を繰り返し練習することは大事だと思うし、それをネイティブの英語の先生に採点してもらうということは日本では中々できない貴重な経験だったと思います。

もちろん、ライティング以外の、リーディング、リスニング、スピーキングについても、授業も課題も盛りだくさんでした。授業は基本的にはブロードウェイアベニュー沿いにあるLewisohn Hallという建物で受けます。アイビーリーグの1つであるコロンビア大学の学生とも変わらずキャンパスライフが送れるので、10年ぶりに学生気分が味わえて楽しかったです。

これは大学の中心にあるホール。元は図書館だったらしいのですが今は著名人が講演をする時の会場として使われている。キャンパス内は公園のようで、散歩をしている人や本を読んでいる人、おしゃべりをしている人などがいていつも穏やかな雰囲気。

文法の授業は全て座学でしたが、グループで分かれて英文記事について何が書かれているのかをまとめて発表するグループワークや、公園などの公共のスペースについて自ら行って、どのような場所かを発表したりする授業もありました。

これはFranklin D. Roosevelt Four Freedoms Parkという公園。FDRについての記事を読んでまとめる課題。課題発表はこの公園でしました。

授業は週5日で月火木金は1日3時間授業、水曜日のみ6時間授業。土日はもちろんお休みですが、復習もしつつ、課題もきっちりやっていくと日々忙しくてあっという間の4週間でした。


感じたことなど

授業を通して私はリスニング、スピーキングはまだまだ時間が足りないなと強く感じました。そんなこと前から分かっちゃいたのですが改めて実感(自分の感想でスミマセン)。

リスニングについては、どのネイティブの先生も口をそろえて「全ての単語を一言一句聞き取れなくてもよい」と言う。確かにそういうところもある。授業で先生が言ったことを概ね聞き取れれば推測や復習によって知識は補完ができる。けれど、それだと授業中のみんなの会話に入っていくのが辛い。的外れだったり既に終了したトピックじゃないかなとか、自信がなくて中々会話に割って入っていけない。

スピーキングについては、たとえ会話の前後関係が分かっていた場合でも、いきなり会話をふられると単純なことしか言えなくて歯がゆい気持ちになることがしばしば。クラスメイトのみんなが自分の意見をガンガンしゃべっているので尚のことそう感じてしまう。

ボキャブラリーや文法もそれはそれで向上させないといけないけれど、それだけではないとも思う。なぜなら日本人である私は文法にはそこそこ強いはず。同じクラスにいた日本人の女の子も、ボキャブラリーはめっぽう強く文法も話している感じでは同じくらいのレベルなのだろうと推測できる。しかし彼女も私と同じくらいかそれ以上にスピーキングに苦戦していた模様。

どうしてこんなにしゃべれる人たちと自分が同じレベルのクラスなんだろうとも思う。これについては、クラス分けのためのウェブ上テストがリーディング&リスニングであることが要因であると考えている。何となく形式がTOEICと似ていて馴染みがある上に、文法やボキャブラリーを問う問題が多かったので日本人に有利。

ちなみに私のクラスに1人いた日本人の男性はめちゃくちゃユニークでめっちゃしゃべる人。きっちりと時間通りに進行する日本らしい授業の中で育った私なんかは、彼がしゃべり出すと授業の進行が遅れて先生が困ってしまわないかとか、ちょっとはらはらしてしまうくらい。しかし、それだけ1つのトピックについて話すためには相当なボキャブラリーが必要で、すごいことだと思う。さらに私からするとそんなに奔放に授業中に喋ることができることもすごいなと。(こう書いていて、私ってつくづく日本人の典型だと思った…。)もちろん好き勝手して授業妨害をしている訳ではなくて、質問に対して答え、そこから内容を深めていったり、疑問点を解消していっている。さらに、私が授業で話せていないのを気遣って、先生に「彼女が質問があるようです」とかフォローをしてくれたり、グループワークで同じチームになった時には、プレゼンにあたり私の不安を感じ取ったのか励ます内容のメールをくれたりと、クラスメイト想いな方なのです。彼は私より一回りくらい上の年齢(つまり40代半ば)と思われる。4週間のコースが終わった日に、彼と教室の前で立ち話をしていたら分かったのですが、以前は某大手電機メーカーの研究職をされていたとのこと。その会社ではドクターを持っていないとたとえよい提案や意見であっても上司に聞き入れてもらえないような環境であったため、会社を辞め、アメリカでドクターを取るべく、英語勉強中だそうです。年齢なんて、ただの数字でしかないと思いつつ、年齢を重ねてから新しいことを始めるのはやはり大変なもの。彼のメンタルや行動力には何かと励まされます。

ちなみにウェブテストでクラス分けがされますが、自分の割り当てられたクラスが適していない場合は、最初の1週間であればクラス変更がされる場合があります。実際に、もともと香港の女の子が私たちのレベル6のクラスにいたのですが、授業についていくことが厳しいと判断したらしく、1週間経ったタイミングでレベル変更を先生に申請し、認められたのでレベル5にしてもらっていました。一方、前述のネパールの女の子は最初レベル3にいたのですが、レベル3の中でずば抜けて英語ができたようで2日目でレベル6に来ていました。ネパールの女の子はレベル6の中でもかなり上の方だと思う。すごく流暢でレベル7でも十分なのでは?と思う程。つまり繰り返しになりますがウェブテストではあくまでリーディング&リスニングを問題形式で解く力が問われているに過ぎないことがよく分かりました。

レベル1〜8の中で、レベル6以上がアメリカ等の英語が母国語となる国での進学を目指すようなクラスらしいです。なので、多少厳しいと思っても進学を目指す方はレベル6に割り当てられたのなら、レベルを下げることなく、そこにしがみつくべきだと思います。また、レベル8を修了するとコロンビア大学に進学する場合、英語の試験が免除されるのだとか。私のいたレベル6のクラスにコロンビア大学での進学を目指している人がいたのですが、プロモーション(レベルアップのこと)について先生に相談していました。

なお、この夏コースでは修了テストはありません。夏コース以前からこのIntensive Programを取っているクラスメイトが、春コースでは修了テストのようなものがあったと言っていたのですが、結局テストはないままでした。授業の出席や課題の提出状況でパスするかどうかが決まるようですが、結構みんな平気で遅刻してきたり休んだりするのであまり厳しくはないのだと思います…。生徒が遅刻したり休んだりするのにも最初は結構戸惑いました。コロンビア大学のALPは結構授業料が高いのです。ざっくり計算しても毎日2万円くらいかかっている。なのに気軽に休んでしまうなんて…。日本人3人+上海の女の子はほぼ毎日きちんと時間通りに来ていました。このメンバーは社会人経験があるから、さらに100%自分のお金で来ているから、とうのが理由かと思います。自分の大学生時代を思い返すときちんと授業に出ていたかと問われると、回答に困りますので…。

なお、このALPコースでは映画を観に行ったり、セントラルパークのコンサートをみんなで聴きに行くなどのイベントも用意されていて(もちろん授業外なので自由参加)、授業以外でも英語を学べたりNYの街について知れたり、クラスメイトとの交流を深められるような場があることがよいと思いました。

なお、ALP生徒はコロンビア大学の寮にも住めて、その中での交流も盛んだったようです。食事に行ったり美術館に行ったり。私は寮には入っていなかったのですが、時々食事に行く時など誘ってもらえてみんな仲良さそうでした。


とりとめなく書いてしまいましたが、たった4週間で何が学べるのかなと思われるかもしれませんが、授業は中々みっちりで、知識はもちろん、アメリカ人のものの考え方や文化などについても授業で触れられたり、アメリカで過ごすと日本語からある程度隔絶されるので、日本で語学学校に行くのであれば、思い切ってアメリカに行ってしまうのもオススメです。

パンときどきワイン

おいしいパンとワインについてつぶやき。 日本だけではなく、世界のいろんな国を旅して見つけたい。

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